ほとんどの病気は、私たちに信号を送ってきます
最初は、ほんのちょっとした、よくある症状や、違和感から、始まります・・・
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「よくあるけど、怖い、病気の症状」第2弾は、【2.TFCC損傷って、そもそも、何?】です
手首の痛みは、ちょっとした捻挫や、キーボードの叩き過ぎで、腱鞘炎になったりして、起こりますが、あまり重大には考えなくて、冷やしたり湿布したりして、治ってしまいます
今回は、TFCC損傷という、かなり治りにくい手首の痛みについてのレポートです
目次(クリックでそれぞれのブログへジャンプします)
2. TFCC損傷って、そもそも、何?
6. TFCC損傷、やっとたどり着きました、完治!
7. TFCC損傷、その後
2. TFCC損傷って、そもそも、何?
TFCCとは、Triangular
FibroCartilage Complexの略で、三角線維軟骨複合体(さんかくせんいなんこつふくごうたい)といい、手首関節の尺骨(くるぶし)側にある、じん帯と軟骨の集合体で、手の骨をつなぎ、手首を安定させる働きをしています
この部分を損傷することを、TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷 [ 1 ])と言うのです
TFCC損傷は、手首の使い過ぎや、加齢によって起こる場合と、スポーツや転倒で、手首に過度の負担がかかった場合とがあります。
テニスやバトミントンなどのラケットスポーツ、ゴルフや剣道などのクラブや竹刀を使うスポーツ、クライミングなどの、手首を多く使うスポーツで、よく見られますが、ごく普通に、転倒して手を着いた時にも起こります。
症状は腱鞘炎に似ていますが、痛みで、手首を返すことができなくなるのが、特徴です。
TFCCは複雑で、損傷がレントゲンでは判断できません
最新の診断法では、MRI検査が有効です
専門医の場合、疼痛の部位、腫れの具合、痛みの起こり方などの検診で判断できます
ただし、追精査を行う場合は、MRIによる検査となります
見た目には、腫れは尺骨(くるぶし)側の手首関節に現れるか、腫れが無い状態で、手首が、特にくるぶし側に痛くて動かなくなります
捻挫は手首に腫れをともないますので、少々違う症状です
TFCC損傷に経験の浅い医者では、「TFCC損傷ではないか、見てもらえませんか」、くらいに言わないと、見つかりません
「よくわかりませんが、取りあえず湿布を貼って、様子を見ましょう」ということになるのです
本当はここで、すぐギプス固定を行わなくてはいけないはずなのに、手遅れとなるのです
生まれつき、手首の骨格構造が弱い人は、事務の仕事や、日常の台所でも、損傷する場合があります
そんな時は、異常無しとか、腱鞘炎とか言われ、なおさら、TFCC損傷と診断されることが難しくなります
Kの場合は、初検が、経験豊かな体育会担当医でしたので、すぐにTFCC損傷と診断されました
TFCC損傷の治療方法
たいへんに治りにくい損傷で、治ったと思っていても、手首を使用すると痛みが出て、それを繰り返すようになります
Kの場合は、損傷から完治するまでに、半年かかりました
完全に治すことが大切です
ギプスをして、とにかく1カ月はしっかりと固定する必要があります
担当医の話では、しっかりと治さないと、ステロイド注射や、最悪、プレートやボルトで固定する手術になる、とのことでした
初期治療としては、出来るだけ早い段階で、安静、消炎鎮痛剤の投与、湿布、ギプスやサポーターなどを用いて固定することになります
ギプスやサポーターで固定療法した場合、原則的に、3カ月経過しても症状が改善されなかった場合には、手術を必要とすると診断されます
脚注:
[ 1 ] 「三角線維軟骨複合体損傷」- Wikipedia
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